5Gとは
5GのGはgenerationの略で、直訳すると世代という意味になります。つまり、5Gとは、第5世代の通信システムのことを指しており、2020年に実用化に向けて開発が進められています。
5Gで実現する3つの要素
高速・大容量
5Gでは、4Gと比較して、100倍以上の通信スピードと容量を備えており、驚くべきスピードで通信を行うことができる
大量接続
5Gになると、1㎡あたりの接続数が100万になります
4Gでも数千の接続が可能ですが、5Gになるとその100倍の接続数を実現する
低遅延
5Gにより、4Gの50ミリ秒から1ミリ秒に縮めた低遅延を実現します。
5Gによる私たちの生活
私たちの生活で使用するデータ通信量は年々増加しており、2020年には個人個人の消費データ量が毎秒1.7メガバイトまで上昇すると言われています。
さらに物がIoT化し、自動運転車、仮想現実、家電、交通機関など全てがインターネットと繋がり、何をするにしてもインターネットと接続している状態になります。ユーザーの情報を分析し、個人個人の生活に合わせてカスタマイズされた広告や動画などがあらゆるところで表示されるようになるかもしれません。
そうなると、例えば、洗剤が切れたら洗濯機が自動で商品を注文し家まで届けてくれたり、遠隔での連絡がよりリアルタイムになったりなど私たちの生活はより便利になる未来になります。
5Gによる国内経済効果
総務省の平成30年 情報通信白書では、約46.8兆円と発表
最も大きいのが交通分野で渋滞や交通事故の低減・自動運転の普及による運転時間の有効活用などにより21兆円
次が製造業・オフィス関連でIoTやビッグデータの活用促進による工場業務の効率化・事務機器の保守サポートの削減が進むことなどによる13.4兆円
また医療分野ではIoTの活用で疾病リスクを見える化し発症を予防するサービスの立ち上げ・生活習慣病が減少し医療費が抑制されることなどで5.5兆円の経済効果を見込んでいます
別枠で、エンタテインメント業界まで含めると50兆円いくかも?
5Gビジネスの方向性
5G導入本来の目的である「社会(利便性)向上系」
・医療分野
超高信頼低遅延通信の実現で移動中や遠隔地の高度診療が可能になり、医療格差が解消される
・農林水産分野
超大量端末同時接続の実現で作物や家畜などの状況を把握するセンサーと散水・薬剤散布や給餌を実施するロボットやドローンの制御が可能になり、減少する従事人口を補える
・土木建築分野
超大量端末同時接続と超高信頼低遅延通信の実現によって遠隔制御が可能になり、危険度が高い高所・鉱山・災害地などの現場での安全な作業が確保でき、またドローンの活用による高精度測量などの精度が向上する
・生活分野
- 自動運転と遠隔制御によって、細分化された公共交通が実現する
- センサー情報を駆使して状況を把握する店舗運営が可能になる
- 遠隔授業や家庭教師の実現によって、学習格差が解消される
- 大量センサーと自動判定AIによって、防災・防犯・減災力が向上する
- VRオフィスとテレワークが実現する
副産物・おまけ的な「コンテンツ力拡大系」
スポーツの場合⇒体験が深くなる
自動制御が可能になってカメラ台数を一気に増やせることで、多地点・ドローンなどによる多角度撮影ができるようになる
取得データの種類が増え分析できる情報が増えることで、選手のバイタルデータ・顧客のバイタルデータ・環境データが取得できるようになる
AIが発達することでデータの有効活用レベルが上がり、多角的な分析結果を提示できるようになる
・エンタメの場合⇒現実を超える仮想実現へ
即時性が向上することで出演者の居場所を問わない制作環境を実現させることや、同時多人数対応の参加型体験の提供ができるようになる
・スポーツ&エンタメに共通
1通信あたりの送信データの嵩が増え、高画質・高音質・8K360°リアルタイムな高臨場感映像が提供できるようになり、また視聴者に合わせた多種多様な映像・情報を提供できるようになる
データ通信逆流時代
IoTの時代では、スマートフォンも含めてデバイスが発信したデータのアップロードがビジネスの起点になる。
ユースケースについて考えると、スマートフォンの時とデータ通信のプロセスで大きく異なることは大きく3つある。
- デバイスが自動的にデータをアップロードすることがメイン
- 遠隔制御や中継等で映像等の大容量データのアップロードが増加
- センター側からデバイスに対して通信し、デバイスを管理
つまり、データ通信の流れが、これまでのスマートフォンのダウンロードメインから、IoTではアップロードがメインとなる、「データ通信の逆流」が起こる