初心者の方でも分かりやすい文章作成のプロンプト指示方法について,元講師の私が詳しく解説します。この記事では、初心者の方にもわかりやすく、具体的な指示方法やGPTとの関連性、カテゴリとタブ(要素)の揃え方などを解説しています。この記事を読めば、初心者でも効率的に文章作成ができるようになることでしょう。
プロンプトを一言で例えるなら・・・。
「AIへ指示を与える文章」
「プロンプトは文章の設計図」
「アイデアを出すための手助けをする言葉や指示のこと」
文章生成AIモデル「GPT」とは
シンプルに説明すると「文章を作成するAI」です
「GTP」は日本語や英語・ヘブライ語・フランス語など20種以上学習しています。学習のベース言語が英語を学習しているためプロンプトも英語の方が精度が高いです。
でも私は英語が苦手なので日本語のプロンプトを英語翻訳して精度を高める方法を取っています。
今はそこまで精度が必要のない検証を行なっているため,その都度精度を高めたい時に英語翻訳でプロンプトを翻訳しています。
文章をどうやって生成しているのか?
GTPは文章から単語分割し、単語を数値化・分析して出力文章を作成します。
単語には意味がある
前の流れから分かるようにGPTは入力者のプロンプト(文章)を分析して文章を作成しています。
文章には「単語」があり「動詞」や「名詞」「形容詞」などで構成されています。
当たり前のことですが、「単語」には意味があり、それらを組み合わせて文章が完成します。
しかし、機械が文章を解析する場合には、テキストデータ(単語など)から文字の並びだけを見て、自動的に単語を分割する必要があります。このような処理が「自然言語処理」の一部です。
【例文:自然言語処理】
プロンプト「私は娘と一緒に寿司を食べるのが好きです。」
【GTPは形態素解析で分析している】
[“私”, “は”, “娘”, “と”, “一緒”, “に”, “寿司”, “を”, “食べる”, “の”, “が”, “好き”, “です”, “。”]
ただし、形態素解析の精度は言語や文脈によって異なります。また、単語をどのように分割するかによって、文の意味やニュアンスが変わることがあるため、注意が必要です。
この後,「手順2:トークン化」して,「手順3:文章作成」,「手順4:トークンを文章に変換」,「手順5:出力」という流れで表示されます。
(手順2からの解説は今回は割愛します)
GTPはこの単語を分析して,次に来る文章もしくは単語を予測し,文章を作成されていることがわかっていただけたでしょうか?
GPTがあなたの期待に応えるためには・・・。
ここが大きな問題だと思いますが、GPTの回答は次にくる文章(単語)を予測しているに過ぎません。でも、色々な文章を学習しているため,あなたの期待に応えることができるはずです。次はGPTの持つ巨大な学習データを覗いてみます
学習データの大きさ
GPT-3.5は、パラメータ数で1750億個(約570GB以上)の学習データを持っているとされています。
すでに有料のGPT−4がリリースしていますが,無料で使える「Chat GPT」に使われているGPT3.5でも十分機能します。まずはいろいろ試して体感してみて下さい。
学習データを活用する
実はこの活用の部分でつまづく人が多く、この魅力を感じることなく過ぎ去っている方が多数見受けられます。
このデータをうまく活用することで、「文章」はもちろん「プログラミングのコード」もかけるし、「他言語の翻訳」などいろいろ活用できます。他のAIと連携させることにより,「画素像生成」「動画生成」「データ分析」など更に利用価値が広がります。
でも、この使い方がうまくいかなければ連携という話にもつながりません。プロンプトから思い通りの文章が生成できるとこれらの活用のも可能になります。
次にこの文章作成AIへのプロンプトの話に移ります。
プロンプトにはコツがある
冒頭にプロンプトは「AIへ指示を出す文章」と書いたように、「指示」が明確でないと期待通りの回答が返ってきません。
例えば「友達に明日の予定メール」を書いてもらいましょう
プロンプト「メールの文章作って」(適当)
GPT「もちろんです。以下にサンプルとなるメール文を作成しましたので、参考にしてみてください。
件名:お問い合わせありがとうございます
本文:
いつも弊社のサービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。
先日お問い合わせいただいた件について、ご返信いたします。
お問い合わせいただいた内容に関しましては、当社で確認いたしましたところ、以下のように回答させていただきます。(回答内容)
また、何かご不明な点やご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
今後とも、よろしくお願いいたします。敬具
Chat GPTより
(署名)」
「え???」
私は友達へのメールを作ってもらおうと思ったのに何でこんなサンプルが返ってくるの?
→使えないじゃん
となってしまいます。
これは私がいろいろ使って試しているので,GPTが「こんなメールなのかな?」と予測して出してきたのでしょう。あまりに漠然としたプロンプトでは自分が予想したものと違う出力がされてしまうことが多いです。
なので,プロンプトのコツは具体的な指示を出してあげることで精度が断然変わります。
具体的な指示とは?
よくプロンプトのやり取りを部下と上司で例えられるのを目にしますが、職場でこんなケースはありませんか?
プロンプト(上司)「アレやっといて」
GPT(部下)「申し訳ありませんが、何をやってほしいのか詳細を教えていただけますか?具体的なリクエストをお願いいたします。」
Chat GPTより
指示(プロンプト)が漠然とし過ぎて「誤った回答」どころか、詳細をリクエストしてきましたね。このパターンの方がまだマシですね。
では「アレ」とは何だったのでしょう?
「アレ」は「お得意先のABCさんへ昨日のお礼のメールを返信してほしい」だとします
プロンプト「お礼のメールを作成して。」
GPT「以下は、お礼のメールのサンプル文です。ご参考にしてみてください。
件名:ご厚意に感謝申し上げます
本文:
先日はお忙しい中、私たちのためにご尽力いただきありがとうございました。(詳細な内容を追加する場合はここに書きます。)
今後ともご交流の機会がございましたら、よろしくお願い申し上げます。
改めまして、この度は誠にありがとうございました。敬具
Chat GPTより
(署名)
このレベルのテンプレートなら調べたら出てくるし、そもそもAIで生成するレベルじゃないですよね
→だから使えないじゃん
となってしまいます。
何でこのレベルのものに世界が賑わいていのか不思議なくらいです。
もっとしっかりと指示を出す
もっとプロンプトを具体的に書いてみましょう。
「お得意先のABCさんへ昨日のお礼のメールを返信してほしい」
この記事自体が文章なのでわざとミスリードしていると分かりますが、この記事で伝えたいのは「しっかりとした指示のプロンプト」を少ない修正で送れるメール文章を作成できるということです。
プロンプト「お得意先加藤商事ABC様へ昨日の打ち合わせ時間をいただいたことに対するお礼のメールを作成する。送り主は鈴木太郎です。」
GPT「以下は、加藤商事のABC様へのお礼のメールのサンプル文です。ご参考にしてみてください。
件名:昨日の打ち合わせについて
ABC様
鈴木太郎と申します。昨日は、貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
貴社の新しいプロジェクトについて、詳細な説明をいただくことができ、大変有意義な時間を過ごさせていただきました。私たちの企画についても、ご意見やアドバイスをいただき、大変参考になりました。
この度は、ご多忙の中、誠にありがとうございました。今後とも、弊社とABC様とのお取引が円滑に進むことを願っております。
何かご不明な点や、お困りのことがございましたら、お気軽にご連絡ください。また、次回の打ち合わせについても、いつでもご都合のよい日時をお知らせいただければ幸いです。
敬具
鈴木太郎」
Chat GPTより
あくまでGTPは文章生成AIの立場で生成された文章で「完璧なものではない」という前提で生成するので、サンプル出しのスタンスで返答してくることが多いです。
(もちろん利用規約にも不完全であることはしっかり書かれています。)
このプロンプトで意識した点は、「メールの文章」「誰へ」「誰が」「要件」この4つです
- 何をしたいのか:「メール文章作成」
- 送信先:加藤商事 ABC様
- 送信者:鈴木太郎
- メール内容:打ち合わせ時間をいただいたことに対するお礼
この様にカテゴリで整理することでポイントが分かりますね。実はこれをそのままプロンプトに直接入れてあげることで文章を作成してくれます。
プロンプト「何をしたいのか:「メール文章作成」
・送信先:加藤商事ABC様
・送信者:鈴木太郎
・メール内容:打ち合わせ時間をいただいたことに対するお礼」
GPT「件名:昨日の打ち合わせに対するお礼
加藤商事 ABC様
鈴木太郎と申します。先日はお忙しい中、弊社の打ち合わせにご参加いただき、ありがとうございました。
貴社のご支援により、打ち合わせの進行が円滑に行われ、大変有意義な時間を過ごすことができました。これからもお互いに協力し合って、良い関係を築いていければ幸いです。
改めて、貴社のご支援に感謝申し上げます。何かご不明点やお困りごとがございましたら、いつでもお気軽にご連絡ください。
敬具
鈴木太郎」
Chat GPTより
件名は修正しないと使えないですが、かなり整ってきているのが分かるでしょうか?
テンプレートの様なものを作って,そのままプロンプトに入力します。
プロンプト
「テーマ:「メール文章作成」
・送信先:加藤商事 ABC様
・送信者:鈴木太郎
・イベント開催のお知らせ
・イベント内容:デジタル博覧会
・開催日程:開催日3月3日・開催時間10:00〜15:00まで
・注意点:雨天中止」
GPT「以下、メール文章の例文です。
件名: 【ご案内】デジタル博覧会開催のお知らせ
拝啓、加藤商事ABC様
このたびは、弊社主催のデジタル博覧会の開催にあたり、ご案内申し上げます。
デジタル博覧会は、最新のデジタル技術やソリューションを展示し、ビジネスチャンスを生み出すイベントです。今年度は、開催日3月3日の10:00から15:00まで、会場Aにて開催いたします。
会場では、弊社の最新技術を展示し、また業界トップ企業の方々と交流する機会もあります。ぜひこの機会にご参加いただき、新たなビジネスチャンスのご発掘にお役立てください。
ただし、天候不良の場合は中止となる場合がございます。当日は、雨天の場合は会場の変更もございますので、事前にご確認いただけますようお願い申し上げます。
参加申し込みや詳細につきましては、添付の案内をご参照ください。ご不明点がございましたら、弊社までお問い合わせください。
ABC様のご多幸とご発展を心よりお祈り申し上げます。
敬具」
Chat GPTより
いろいろツッコミどころ満載の例文を返してきましたが、この例では「カテゴリとタブを入れることで生成できる。」ということです。(見直して気づいたのですが、「メール内容:」のカテゴリ消えているけど生成できていますね)
カテゴリとタブ(要素)の揃え方で文章の精度が上がる
ここまでが私がプロンプトを作る上で最初に気付いた「初級知識」です。
「テーマ」とカテゴリ、要素などを指示してあげれば、GPTの生成物の精度は上がります。上記の例でも示したとおり、文章にしなくても箇条書きの様な書き方でも生成してくれます。
要はプロンプトは「AIへ指示を与える文章」なので内容を細かく伝えれば形になります。